肝硬変に対する治療として、一般的治療と薬物治療ありますが、生活習慣を整える一般的治療の中で、特に非代償性肝硬変において食事療法は重要です。

一般的な注意

飲酒を控え、食事はカロリー・たんぱく質の取りすぎに注意します。1日3食を規則的に、腹八分目を目安に、よくかんで食べるようにします。障害を受けた肝臓を再生し、機能を維持するために必要な栄養素を十分補給することで機能回復を助けるために、バランスのよい食事を心がけます。

浮腫・腹水を伴った時の食事

塩分が多いと浮腫や腹水の原因となるので、1日あたり5~6g程度に塩分を制限します。また、血液中のアルブミン値の低下も浮腫や腹水に影響します。肝硬変ではたんぱく質の合成が低下し、血液中のアミノ酸のバランスが悪くなり、アルブミン値が低下するので、不足する分岐鎖アミノ酸(BCAA)をBCAA製剤で食事を補うと有効です。利尿剤でもコントロールできない時には、水分の摂取を1日500ml程度に制限します。

肝性脳症を伴った時の食事

肝性脳症の原因となる高アンモニア血症を抑えるため、たんぱく質の制限が必要となります。動物性のたんぱく質が多いと脳症が出現しやすくなるため、たんぱく質は植物性を主体にします。便秘はアンモニア値に影響するので、便通を良くするため、食物繊維を十分にとることが勧められます。

栄養状態が悪い時の食事

進行した肝硬変では肝機能の低下に伴い低栄養状態にあると考えられます。エネルギー源となるグリコーゲンが不足しているため、食事を摂取しないと、すぐにエネルギー不足(飢餓)になってしまいます。エネルギー不足にならないように、1日4回以上の分割食や就寝前の夜食(late evening snack:LES)として炭水化物の補給が勧められます。