非代償性肝硬変で、基準に該当する人は、身体障害者手帳の交付申請ができます。また、診療費が高額になった時には、高額医療費制度で援助を受けることができます。

ウイルス肝炎の診療費用の助成

「11)ウイルス肝炎の診療費用の公的助成は?」で述べましたが、肝硬変の原因がウイルスの場合、B型肝炎、C型肝炎とも抗ウイルス療法は肝硬変の人も助成の対象になります。両者とも有効性が高く、副作用が少ない経口薬が主に使われます。抗ウイルス療法は月額の医療費が高額(特にC型肝炎)で、長期間に及ぶ(特にB型肝炎)ので、保険適用となっている検査と薬にかかる医療費の助成を受けることが勧められます。

身体障害者手帳の交付

「20)非代償性肝硬変とは?」で述べましたが、肝硬変を鑑別するチャイルド・ピユー(Child-Pugh)分類で非代償性肝硬変の中で、基準に該当する人は、1~4級の肝機能障害の身体障害者手帳の交付申請ができます。身体障害者と認定され手帳を取得すると、等級や所得状況などによって自治体より医療費の助成が受けられ、福祉サービス、公共料金の割引、税金の軽減などを受けることができます。また、B型肝炎・C型肝炎が原因の重度肝硬変の人には、条件が揃えば、入院医療費の助成が受けられます。

高額医療費制度での援助

肝硬変では診療費が高額になることが多く、医療機関や薬局の窓口で支払った自己負担額が、月ごとに一定額を超えた場合には、年収と年齢により限度額が違いますが、診療費が高額になった時には、高額医療費制度で援助を受けることができます。

交付と援助の申請

非代償性肝硬変の人は身体障害者手帳の交付申請が勧められます。また、肝硬変では診療費が高額になることが多く、高額医療費制度で援助を受けることが勧められます。これら公的援助については、住所を管轄している保健所または健康保険組合が窓口になります。