発見の歴史

1960年代半ばにA型肝炎とB型肝炎の原因となるウイルスは発見されていましたが、輸血後の原因不明な肝炎は非A非B型肝炎と呼ばれていました。1989年に米国のカイロン社が輸血後非A非B型肝炎の原因ウイルスとして、C型肝炎ウイルス(HCV)の遺伝子の一部を発見することに成功しました。1990年にはHCVの全塩基配列が発表されました。

ウイルスの構造

HCVは直径約50nmの球状粒子で、2種類の外被(envelope)と芯(core)の二重構造を有しています。coreの中には、9,500塩基からなるHCV遺伝子の一本鎖のRNAが存在し、ウイルスの構造たんぱく(envelope、core)をつくる領域(E1、E2、C)と、構造たんぱくの合成を手助けする酵素(プロテアーゼやポリメラーゼなど)などをつくる領域(NS2~NS5B)から構成されています。

遺伝子型

HCV遺伝子は主に1型〜7型の7つの遺伝子型(genotype)に分けられます。日本では、HCV感染者の約70%が1型、ついで2型で、3〜7型はわずかです。genotypeを簡便に測定する検査が血清型(serogroup)です。1型は2型よりもインターフェロンを用いた治療法が効きにくいことがわかっています。

ウイルスの生活環

HCVがレセプターを介して肝細胞に感染し、粒子よりウイルスRNAが放出され、これがメッセンジャーRNAとして働き、翻訳が開始され、大きな前駆体たんぱくが合成されます。前駆体たんぱくからウイルス粒子の構造たんぱくであるcoreとE1、E2の2つのenvelopeが作られます。ゲノムRNAからマイナス鎖RNAが転写され、これを基にプラス鎖RNAが合成され、coreたんぱくと結合し、さらにenvelopeたんぱくと結合し、ウイルス粒子が成熟し、細胞膜に達して細胞外へ放出されると考えられています。