サルコペニアとは筋肉量が減少して筋力低下や身体機能低下をきたした状態をさしますが、肝硬変においてはサルコペニアの合併率は高く、生存率の低下にも影響するとされています。

サルコペニアの原因

加齢と共に筋肉量は低下しますが、日常生活に支障が生じるほどに影響を受けている状態がサルコペニアです。サルコペニアは加齢が原因での一次性と、加齢以外にも原因がある二次性に分類されます。肝臓病などの内臓疾患、神経筋疾患、炎症性疾患、がんなどの病気が二次性サルコペニアの原因となります。

肝臓病でのサルコペニアの発症機序

肝硬変などで肝臓の機能が低下し、肝臓でのエネルギーの貯蔵量が低下すると、筋肉から分岐鎖アミノ酸(BCAA)がエネルギー源として供給されます。また、上昇したアンモニアの処理にもBCAAが消費されます。BCAAの消費により、筋肉の材料となるたんぱく質を合成できずに筋肉量が減少することで、サルコペニアが発症すると考えられます。

肝臓病でのサルコペニアの判定基準

サルコペニアは筋力、身体能力、筋肉量という3つの指標によって判定します。筋力は握力、身体機能は歩行速度などで判定します。筋肉量は生体電気インピーダンス(BIA)法などで計測します。肝臓病では握力が男性28kg未満、女性18kg未満で、CT検査またはBIA法で筋肉量が低下している人をサルコペニアと判定しています。

肝臓病でのサルコペニアの治療

サルコペニアは食事や運動が治療に有効です。筋肉はたんぱく質を摂ることで産生されますが、「22)肝硬変の食事療法は?」で述べましたように、肝硬変では摂りすぎには注意が必要です。筋肉に負荷をかけるレジスタンス(抵抗)運動が有効であるといわれています。「21)肝硬変の治療は?」でも述べましたが、肝硬変ではBCAA値を上げるBCAA製剤の服用が有効です。