B型肝炎(HB)ワクチンはB型肝炎ウイルス(HBV)感染の予防のためのワクチンです。ワクチンの接種によりHBVに対して感染防御機能(免疫)をもつ中和抗体としてHBs抗体ができ、HBVにかかりにくくなります。

母子感染の予防

免疫が未発達な幼少期(6歳頃まで)にHBVが体内に入るとキャリアとなり、将来、慢性肝炎を発症し、肝硬変、肝がんに進展する可能性がでてきます。HBVキャリアの母親から出産時に感染し、キャリアとなることが多いので、予防のためHBワクチンを接種します。

具体的スケジュール

母親が妊娠中に検査を行い、キャリアであることがわかった場合、母子感染を予防するため、出生直後にHBワクチンの皮下注射とHBグロブリンの筋肉注射し 、生後 1 か月と6 か月にHBワクチンを追加し、HBワクチンは計3回接種します。1985年より「B型肝炎母子感染防止事業」により公費負担で、1995年からは健康保険給付で実施されています。

定期予防接種

HBワクチンは日本でも国民全員が接種を受けるユニバーサルワクチンになり、母親がキャリアでない場合にでも、2016年から始まった定期予防接種を受けます。接種は、生後2ヵ月か4週間隔で2回、さらに2回目の接種から20週以上経ってから1回の計3回接種します。3回接種によりほとんどの人がHBs抗体を獲得することができます。

詳細の確認

小児へのHBワクチンに関しては、日本小児科学会のホームページ の「一般の皆様へ」の「予防接種・感染症」の「知っておきたいわくちん情報 各論B-03 B型肝炎ワクチン」が参考になります。