ビタミンCはヒトやモルモットでは体内で合成できないアスコルビン酸と称される有機化合物で、壊血病の原因として知られる水溶性ビタミンです。

働き

生体内では通常還元型のL-アスコルビン酸または酸化型のL-デヒドロアスコルビン酸の形で存在しています。皮膚、血管、骨、筋肉などあらゆる臓器で細胞と細胞をつなげる役割を担っているコラーゲンの生成に必要です。呼吸に必要な酸素から発生する活性酸素は、過剰になると動脈硬化や免疫機能の低下などを引き起こしますが、この活性酸素を取り除く抗酸化作用という働きがあります。鉄の吸収を促進したり、メラニン色素の生成を抑えたり、発がん性物質を抑制する作用もあります。

不足による病気

ビタミンCが不足すると、皮下出血、歯肉炎、貧血、全身倦怠感、食欲不振などの症状が起こり、長期にわたると壊血病を発症します。ビタミンCを多く摂取する人は、がんや心血管疾患を発症するリスクが低くなり、感冒にかかった場合には期間の短縮や症状の軽減になる可能性があります。

多く含む食品

1日のビタミンCの摂取推奨量は成人男女でともに100㎎です。レモン、オレンジ、グレープフルーツなど柑橘類やアセロラ、キウイフルーツ、イチゴなど果実類、ピーマン、ブロッコリー、トマトなど野菜類、いも・でん粉類など植物性食品に多く含まれています。バランスの良い食事をしていれば不足の心配はありません。水に溶けやすく熱に弱いため、生で食べることが勧められます。

薬剤とサプリメント

ビタミンC製剤の経口薬(商品名:ハイシー顆粒25%など)と注射薬(商品名:アスコルビン酸注500mg)がビタミンC欠乏による壊血病などの予防や治療、皮膚炎や皮膚に色素沈着の治療など、ビタミンCとパントテン酸の配合製剤の経口薬(商品名:シナール配合顆粒など)が皮膚の色素沈着の治療などに用いられています。サプリメントは感冒にかかった時、過度のストレス、喫煙、運動などの時に勧められます。大量摂取すると下痢などが起こる場合もあり、注意が必要です。