ビオチンはビタミHB7あるいはビタミンHとも呼ばれるB群の水溶性ビタミンです。

働き

ビオチンは食品中ではたんぱく質と結合した形で存在し、消化の過程で遊離し、空腸から吸収されます。主な働きは糖の再利用、脂肪酸の合成、アミノ酸の代謝に関わるカルボキシラーゼという酵素の補酵素としてエネルギー産生を助けています。たんぱく質の合成や免疫機能を保つことで、皮膚や粘膜の維持、爪や髪の健康にも関わっています。アレルギー反応を引き起こすヒスタミンのもとになるヒスチジンを体外へ排出するとも考えられています。

不足による病気

ビオチンは体内で腸内細菌によっても合成される不足になる心配はありません。ビオチンが不足すると、リウマチ、シェーグレン症候群、クローン病などの免疫不全症を引き起こすリスクが高まり、アトピー性皮膚炎などの改善にも関わるとされています。皮膚炎、結膜炎、舌炎、食欲不振、吐き気、脱毛、白髪の増加、筋肉痛、疲労感などの症状も現れます。

多く含む食品

1日のビオチンの摂取目安量は成人男女でともに50㎍です。ビオチンは、牛レバーなどの肉類、魚介類、卵類などの動物性食品、きのこ類、ピーナッツなどの種実類などの植物性食品に多く含まれています。多量の生卵を摂取した場合に、卵白中のアビジンという物質がビオチンと結合して吸収を妨げ、欠乏することがあります。

薬剤とサプリメント

ビオチン製剤の経口薬(商品名:ビオチン散0.2%など)と注射薬(商品名:ビオチン注1mg)が各種の湿疹、接触性皮膚炎、尋常性ざ瘡(にきび)の治療に用いられています。サプリメントは喫煙や飲酒、不規則な生活などで体内の合成量が減少し不足する人には勧められます。