胆道系酵素とは、肝障害により肝臓や胆管の細胞が壊れたり、胆道が閉塞して胆汁がうっ滞した時に血中に上昇する酵素です。

肝機能検査で繁用される酵素

(肝臓病)の「6)肝機能検査とは?」で述べましたが、γ-GTP、LAPというたんぱく質を分解する酵素やALPというリン酸化合物を分解する酵素が肝機能検査として繁用されています。3つ全ての酵素が上昇していれば肝胆道系疾患による胆汁うっ滞が考えられ、γ-GTP 単独で上昇している場合はアルコールの関与、ALP単独で上昇している場合は骨疾患の関与を考慮します。

γ-GTP

γ-GTPはγ-glutamyl transpeptidase(ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ)の略で、γ-カルボキシル基で結合している N 末端のグルタミン酸を切るたんぱく質を分解する酵素です。肝細胞のミクロソーム分画で産生され、細胆管、毛細胆管などの細胞膜に局在しているので、肝臓や胆管の細胞が壊れると血液中に流れ出ることから、肝臓や胆管の障害の指標となります。γ-GTPはアルコールに敏感に反応し、お酒を多く飲む人で値が上昇します。

ALP

ALPはalkaline phosphatase(アルカリホスファターゼ)の略で、アルカリ性条件下でリン酸エステル化合物を加水分解する酵素です。肝臓、腎臓、骨、胎盤、小腸などに分布していますが、大部分は細胞膜上に局在し、肝臓では肝細胞の胆管側にあり、肝臓や胆管の障害の指標となります。ALPには1~6の6種類のアイソザイムがあり、上昇パターンにより、障害臓器を推定できますが、肝胆道疾患ではALP1,2,5が上昇します。

LAP

LAPはleucine aminopeptidase(ロイシンアミノペプチノーゼ)の略で、ペプチドのN末端に存在するロイシンを切断するたんぱく質を分解する酵素です。肝臓、腎臓、小腸、膵臓などの臓器や胆汁中などに分布しますが、胆汁うっ滞により血中に増加するため、肝胆道疾患の診断や経過観察などに用いられています。