ビタミンAはレチノール、レチナール、レチノイン酸を総称する有機化合物で、とり目の原因として知られる脂溶性ビタミンです。

働き 

ビタミンAは、目の網膜の視細胞の光を感知する受容体にあるロドプシンの合成に必要です。病原微生物を最初に防御する皮膚と粘膜の細胞の抵抗力を強め、体内に侵入した時には対抗するリンパ球などの発生や分化にも関わっています。細胞内で発癌物質の効果を軽減するとも言われています。

不足と過剰による病気 

ビタミンAの長期の摂取不足で欠乏状態になると、暗がりで視力が著しく衰えとり目(夜盲症)を発症したり、皮膚や粘膜が乾燥、肥厚、角質化したり、免疫機能が低下したりします。脂溶性ビタミンで肝臓に貯蔵されているため、過剰摂取により症状がでることがあります。急性の過剰では頭痛、吐き気、めまいなど、慢性では全身倦怠感、皮膚症状、肝臓腫大などがみられます。

多く含む食品 

植物に含まれるβ-カロテンなどは、プロビタミンAと呼ばれ、小腸上皮細胞でビタミンAに変換されます。ビタミンAの摂取基準は、プロビタミンAも合わせて、レチノール活性当量として算出します。1日のビタミンAの摂取推奨量は成人男性では850~900μg、成人女性では650~700μgです。ビタミンAは牛・豚・鶏レバーやうなぎなどの肉や魚類、乳類、卵類などの動物性食品、プロビタミンAはさつまいも・ほうれん草・にんじん・ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれています。

薬剤とサプリメント

ビタミンA製剤の経口薬(商品名:チョコラA錠1万単位など)と注射薬(商品名:チョコラA筋注5万単位)が夜盲症、結膜や角膜の乾燥症、角化性皮膚疾患などのビタミンA欠乏症の治療に用いられています。外用薬(商品名:ザーネ軟膏0.5%)が角化性皮膚疾患、ビタミンA・E製剤の外用薬(商品名:ユベラ軟膏)が凍瘡や角化性皮膚疾患の治療に用いられています。サプリメントは普段の食生活で動物性食品や緑黄色野菜が不足しがちな人に勧めらます。