ビタミンとは3大栄養素の代謝を円滑に進め、体の機能を正常に保つため必要な有機化合物で、ミネラルとともに微量栄養素と呼ばれます。

概要

ビタミンは生体内で合成することができないので、食品から摂取されます。ビタミンは肉や魚などの動物性食品にも、野菜や果物などの植物性食品にも広く含まれています。必要な量を摂取するには、特定の食品に偏らないような食事内容が基本です。厚生労働省は、摂取不足の回避、過剰摂取による健康障害の回避を目的として食事摂取基準を定めています。具体的には 厚生労働省のホームページ の「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」で確認できます。

種類と働き

13種類あるビタミンは、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの2つに分けられます。両者とも3大栄養素である糖質・脂質・たんぱく質の代謝に必要な酵素の働きを補い、代謝を円滑に進め、体の機能を正常に保つ働きをしています。ビタミンが不足するとビタミン欠乏症となり、病気や成長障害がおきます。脂溶性ビタミンは水に溶けない性質があり、脂肪組織や肝臓に貯蔵されますが、水溶性ビタミンは血液などの体液に溶け込んでいて、余分なものは尿として排出されます。

脂溶性ビタミン

ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの4種類があります。脂溶性ビタミンは脂肪分といっしょにとると吸収がよくなります。摂取量が少ないと欠乏症を引き起こす可能性があり、摂取量が多いと体内に蓄積されて過剰症を引き起こす可能性があります。

水溶性ビタミン

ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ビタミンB6、ビオチン(ビタミンB7)、葉酸(ビタミンB9)、ビタミンB12、ビタミンCの9種類があり、ビタミンC以外はビタミンB群と呼んでいます。水に溶けやすい性質があり、過剰に摂取した場合は、尿として排泄されるので、少量を頻回とるとよいとされます。摂取量が少ないと欠乏症を引き起こす可能性があります。